• ACCESS / CONTACT
  • UNDER ARMOUR
  • Facebook
MENU

ドームヒストリー:HISTORY

1998アンダーアーマーとの出会い

1998年、安田は米国アメリカンフットボールリーグNFLの下部組織であるNFLヨーロッパのプロコーチとして派遣される機会に恵まれ、ドームの経営を専務の今手に任せて、約4ヶ月間米国およびヨーロッパで生活を送ることになりました。米国内での1ヶ月のトレーニングキャンプを終え、リーグ戦の行われるヨーロッパに移動、そして試合の始まる1週間前のロッカールームで、安田は初めて「アンダーアーマー」と出会いました。スマートかつ見るからに動きやすそうなそのウェアは、日本でも本場NFLの現場でも見たことがありません。それもそのはずで、この年はNFLが新ブランドである「アンダーアーマー」のテストマーケティング用に、NFLヨーロッパにおける供給権を与えたタイミングであり、選手もこの時初めて「アンダーアーマー」を手にしたのでした。

「何だ、これ・・・スゲー格好いい」

これは「衝撃」と言っても過言ではなく、安田は即座に一目惚れしてしまいました。またその一目惚れは、選手たちも全員同じ状態でした。1秒でも早く「着てみたい」という衝動に駆られ、仲の良かった選手に「着させてくれ!」と頼んだものの、誰もが「NO!」という回答でした。NFLヨーロッパは、その名の通りヨーロッパで開催されるのですが、基本的には米国人で結成されるリーグです。選手の大半はNFLチームに所属する若手選手か、大学を卒業したてでプロの網にかからなかった隠れた有望選手たちが、経験を積む場所として結成された新興リーグでした。したがって選手たちは皆、道具に関しても最上を求める「NFL級」なのですが、彼らは「これは最高だ!こんなの俺の大学にはなかったぞ」や「俺にアンダーアーマーをあと3枚くれ!」などと口にし、アンダーアーマーは選手間でも頻繁に話題になるウェアでした。

当然コーチには提供されるはずもなかったのですが、安田はチームの用具担当マネージャーに頼み込んで何とか1枚用意してもらいました。

その時の用具担当マネージャーは「これはアメリカでもまだ誰も着てない貴重品だぞ。絶対に人気が出るアイテムだから今からしっかりと管理しないと…」と意味ありげに語っていました。そして、そのマネージャーの予感どおり、アンダーアーマーは選手たちから連日のように「もう一枚くれ!」という攻撃にあい、瞬く間にチームの在庫はなくなってしまいました。

やっとの思いで手に入れた1枚の0039フルTシャツ(現在のMCM3418)に袖を通した瞬間、安田は色々な思いが頭によぎり、完全な興奮状態に入ってしまいました。最初に思ったことは、

「何でこんな良いシャツが、俺の現役時代に無かったんだ!」
ということでした。肌触りがとにかく最高で、生地の薄さ、伸縮性の高さと相まって動きやすく、正に「戦うためのギア」でした。また、機能だけを追求して開発されるF1マシンが独特の美しさを自然と兼ね備えるのと同様に、選手たちの鍛え上げられた身体を包み込んでいる、純白で胸にワンポイントのロゴが入っているだけの極めてシンプルな「アンダーアーマー」は、今まで見てきたどんなTシャツよりも美しく輝いて見えました。

アンダーアーマーとの衝撃的な出会いと同時に、安田はある激しい衝動に駆られました。それは「日本の選手たち、後輩たちにもアンダーアーマーを着てもらいたい!」というものでした。そして、用具担当マネージャーに追加のアンダーアーマーを頼む代わりに、アンダーアーマーの連絡先を聞きました。そしてリーグ終了後、すぐにアンダーアーマーの本社があるボルチモアに渡米し、社長のケビン・プランクに会いに行きました。当時安田は28歳、ケビンは25歳。ともに元アメリカンフットボールの名プレイヤーであり、年齢も近く、若くして社長を務めるなど、たくさんの共通点を持った二人は、出会った直後から昔からの親友のようにお互いを信頼し合う仲となりました。そして安田の思いをケビンは快く受け入れ、ドームは、アンダーアーマーと日本総代理店の契約を結ぶに至ったのです。

同じアスリート同士、意気投合した安田とケビンですが、この出会いがアンダーアーマーの機能を完成させることになります。当時のアンダーアーマーは、まだ発展途上の段階にあり、品質面で問題を抱えていました。安田は、品質に対して厳しい日本の市場でも受け入れられるレベルに達するまで妥協を許さず、その品質に対する高い意識に対し、ケビンも誠意を持って対応しました。こうして二人の切磋琢磨によってアンダーアーマーの品質は著しく改善されていきます。現在のアンダーアーマーの機能・品質は、安田とケビン二人のアスリートによる国際的なパートナーシップにより進化を続け、各界のアスリートたちを支えているのです。

ドームヒストリー 一覧へ