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社長コラム:PRESIDENT’S COLUMN

vol.033一生涯を貫く仕事を持つという事

福澤諭吉が記したと言われる「福澤心訓」に

一、世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つという事です。

という一節がある。「人様のお役に立つような仕事をしなさい」と言われ育ったのだが、簡単に人様のお役に立つことはできない現実をつくづく感じる日々。とは言え、何かしら判断を迫られた時に「人様のお役に立つだろうか?」という思いが強く心を支配するのも大きな事実である。

スポーツが大好き。そんな無邪気な気持ちで始めたドームであるが『スポーツが好き』な理由を挙げれば枚挙に遑がない。辛いことへ立ち向かう勇気...ナルシズムに力を借り、辛いことに立ち向かい、乗り越えることで昨日よりも成長した自分を感じることが出来る。辛いときに支えてくれた仲間、そして喜びを分かち合う仲間、顔を見れば皆ドロだらけ。カッコなんてつける必要もない、そのまんまの自分をむき出しにし、そのまんまの自分をむき出しにしてくる仲間と肩を抱き合い、泣き笑えた日々。怖い監督に食らいつく毎日、その裏の愛情や熱意、何の見返りもなく僕らに時間を捧げてくれた『大人』との触れ合い。同じ目標に向っているはずなのに、何故か狂うチームの歯車。自我が目覚めたばかりの若者同士、我がままのぶつけ合い。亀裂と再結束を繰り返しながら、引退、卒業という逃げることのできない節目を迎える。止めることができない流れ出る涙を幾度経験してきただろう。

表面だけカッコつけても、実力だけがモノを言う世界。そんな実直な世界が大好きである。ドームを始めたとき...「大好き」と「人様のお役に立つ」が「=」で結ばれていたとはとても思えないが、大好きな理由を考えてみただけでも、「お役に立つ」ヒントが満載であることは事実であろう。ドームを始めるときに、理性的な友達からは「少子化時代にまったく逆行してない?」であったり「市場規模とかどのくらいあるの?」など、尤もらしい質問を多々受けたが、自分の決意はピクリとも動かなかった。それはやっぱり少しでも「お役に立てる」という実感が深層心理にあったからであろう。反対に、ほんの少しでも「お金儲け」的な欲望があれば、友達の諫言に耳を傾けていたかも知れない。大した事をしてきた訳ではないが、そんな決意のプロセスだけはちょっぴり胸を張って言える。

ただ、そんな大好きなスポーツをより良い物にしてみたい、そう具体的に思うきっかけとなったのは、今から約18年前、大学三年時のハワイ大学の合宿に他ならない。抜けるような青空の下、広大な人工芝のグランド、そこには誇らしげにでっかく「Rainbows」というチームのロゴがプリントされていた。ハワイ大学のシーズンオフを利用して、ハワイ大のコーチから直接指導を受けたのだが、恐らく10名以上参加してくれたコーチは全員がプロ。仕事として、大学のフットボールチームを指導しているのだ。仕事...ともなれば24時間それと向き合い、出来る人は出世し、できない人は去っていく、そんな厳しい世界にいるコーチたちの実力は正に目からウロコであった。それだけでなく、チームを支える環境が素晴らしかった。映画館のような全体ミーティングルーム、ポジション別に設けられた小さなミーティングルームの数々には大きなプロジェクターが完備され、チームカラーの緑色に塗られた机と椅子がまた、チームの誇りを物語る。見たこともないような広大なウエイトルームには、オフシーズンに身体を鍛える選手たち...同じ大学生...否、同じ人間とは思えないほど大きな身体を持つ選手たちがいた。

僕の通っていた大学は日本でも有数の大きな大学で、しかもスポーツにおいて高名な大学である。反対に、ハワイ大学はお世辞にも大きな大学とは言えず、しかもフットボールが強い訳でもない。この違いは一体何なのであろうか? 自分が大好きなスポーツ、そして一番誇りに思っていたスポーツにおいて、飛行機にたった7時間乗っただけでこれだけの違いが存在するという事実を痛いほど感じた。そして、20歳ながらにして、日本の環境を何とかしたい...そんな気持ちがちょっぴり芽生えた。

大学を卒業し、某大手商社に就職。時はバブルの真っ只中で、日本が海外の物件を買い捲った時代である。ハワイのホテルもほとんど日本企業に買占められていたと記憶している。僕は自動車関連の部署に配属され、米国の自動車部品メーカーの買収という仕事のお手伝いをさせられていた。当時、大いに記憶に残った出来事がある。

「私たちはアメリカの自動車文化を心から尊敬しています。現在、日本の自動車生産技術は世界一であるということは自他共に認めるところだと思います。今後、私たちの培ってきたノウハウを皆様にご指導いたしますが、その基本になっているのはフォードさんが発明した生産技術なのです。ですから、日本式と思わないでください。アメリカ式を日本がよく学び、そしてそこで実践されてきた新たなノウハウが再びこちらに帰ってきている、そんな風に考えて下さい。」

これは、共に買収に参画した日本の部品メーカーの専務が、買収先の米国の工場の人々を前にしたスピーチの冒頭。その概要を明確に記憶しているという事はそれほど強烈な印象を受けた、という事。日本企業の買収に対してアレルギーを持たないよう、最大限に気を遣ったコメントであったが、それは反対に当時の日本の生産技術が、米国の象徴的産業である自動車産業において、圧倒的な優位性を示すものであった。


日本って凄い。


率直にそう感じた。


...紆余曲折を経て、ドーム設立...


産業界にいた時は「日本って凄い」と思えた。でも、今は「世界に追いつきたい」そんな風に素直に思う。カッコつけずに、この感情を正面から受け止めたい。そして、少しずつ、世界に追いつきたい。

ハワイ大学の悠然たる設備の数々は、フットボール部の興行収益がそれを支えているからに他ならない。米国の大学のフットボール部の収益(T V放映権やチケット販売、ライセンス商品の売上など)は数十億円から数百億円にも及ぶ。

メジャーリーグの2006年の収益は約56億ドルで、1994年から約4倍も増加した。94年の長期ストライキ後、閑古鳥が鳴いていた観客席がまるで遠い昔のようである。

アリゾナで行われたPGAツアーのFBRオープン。タイガーウッズ不出場にも関わらず、3日目に17万人を超える集客を数えた。ギャラリーには、中学生や高校生の集団や家族連れなど、ゴルフとは縁の無いような人々ばかり。みな、一球一打に熱狂し、歓声とブーイングがこだまする。

アメリカで一番人気のNFL。9月から2月まで続くシーズンの中、時には大雪に見舞われる。零下何十度という極寒の中、8万人を超える超満員のスタジアムは夜の11時を過ぎても誰一人席を立とうとしない。そればかりか体感温度が何十度も高まるかのような観客の熱気がスタジアム全体を支配する。

日本は立派な文明国だと思う。長い歴史と独自の文化を育みながら、先輩の方々のご努力により、経済的にも本当に立派になったと思う。そしてこれから、もっともっと立派な国になって欲しいとつくづく思う。

先日、とある経済雑誌に「日本版サブプライム問題」と称した、『消費者金融業界におけるグレーゾーン金利の撤廃によるマクロ経済の連鎖的な悪化』を取り上げた特集記事があった。かいつまんで要点をまとめると、『グレーゾーン金利撤廃により、消費者金融からお金を借りられなくなった人々が増え、パチンコ産業が青息吐息となっている。パチンコ産業は30兆円を超える巨大産業で、パチンコ台を構成する部品メーカーには日本を代表する大企業が軒を連ねる。グレーゾーン金利撤廃によるパチンコ産業の沈滞は、日本の産業を根底から揺るがすかも知れない。』と。つまり、消費者金融で金を借りられなくなった人々がパチンコに行けなくなる。パチンコ台は実は大企業のお得意先であり、パチンコの衰退が日本経済を揺るがすことになる、という事。

うーん。この文脈、どこからどう読んでも『ツッコミどころ』が満載過ぎてコメントの仕様が無い。ただ言えることは、日本はまだまだそんな国、という事実である。反対に見てみると...アメリカで起こっている現実は遅かれ早かれ、日本でも起こる、という他力本願的な希望が胸にこみ上げる。そう、プロ野球が盛り上がりを復活し、家族や友人でスポーツを見たりやったりして楽しむ日々が必ずやってくる、と。3万人を超えるアスリートを集めた東京マラソンを見ると、そんな他力本願な希望に確かな灯がともる。

★パチンコを止めて、家族でプロ野球を観に行こう!

きっともっともっと爽快な気分になれるでしょう!子供に大きな夢を与えることが出来るでしょう!

★ギャンブルをやめて、マラソン大会にでも出場してみよう!

学生時代、健脚自慢だったあなた!ジョギングから鍛え直し、マラソン大会にでるスリルは何にも勝る達成感と共に、あなたの生活をより前向きにしてくれるでしょう!

一、世の中で一番楽しく立派な事は、一生涯を貫く仕事を持つという事です。

福澤先生、素晴らしい教えを有り難うございます。こうして、自分の仕事を振り返ってみると、生涯を貫く仕事と出会えたこと...辛いことも苦しいことも全て忘れさせてくれるほど、スポーツの仕事は楽しいものです。そして、そんな仕事と出会えたことで、今日も胸を張って生きて行けます。

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